3月11日の「東日本大震災」、特に4月11日の誘発地震では、湯ノ岳断層が動き、法海寺もその被害を受け、いわき市指定有形文化財、「梵鐘」のある鐘楼堂が倒壊するという出来事がありました。
8月21日に平成23年度の「お山掛け」を控え、住職とともにこのお山掛けに携わり協力を頂いている方々と何度も協議をしました。それは、震災や福島第一原発事故による放射能汚染が、山道にどのくらい影響を与えているかということについてです。その結果、道 中の安全や、湯ノ岳の放射線量も安定しているということで例年通 り一番札所から十番札所まで御参りをし、伝統行事を行おうという こととなりました。
また、今年のお山掛けは東日本大震災復興の祈りも込めて開催されました。
当日午前3時より、住職が朝一番の御護摩の御修行をしました。
始めに社会、国家、世界の平和を祈ります。次に作物が豊作、人々の豊かさ、またお山掛け修行に参加される方々の道中の安全を祈願致します。
それに加え今年は震災被災地の復興も祈りました。
午前7時より、法海寺、藤原町地域振興協議会ともに受付を開始。
あいにくの雨の中多くの方が参加し、ハワイアンズに避難している広野町の方も多数参加いらっしゃいました。
参加者は約120名となりました。
例年通りですと7時半頃、法海寺本堂で御祈願をし、一番札所から十番札所の御堂まで御参りをして歩くのですが、今年は四日前から降り続ける大雨の影響で御山の中の滝や川が氾濫し、お山掛けの道中の安全の確保が困難な状況となりました。よって今回は安全のため一番札所を御参り後、九番札所へと参拝するように致しました。
そして10番札所の御堂を御参りし、御山を下りました。
御参りすることのできなかった札所につきましては、住職とともに後日改めて、御参りをし、今年のお山掛けを厳修致します。
御山から下山後は、法海寺の本堂にて御本尊様へ報告の御参りをして法海寺客殿にて「ふな払い」を行いました。
そして最後に、御山に登り御参り頂いた皆さんに、朝一番に御護摩の御修行にて御祈願加持をした御札をお渡しいたしました。
みなさん例年とは違う中、楽しく喜びに満ちた表情をしておられました。この変動する社会や世界、また人々の心が平穏であるようにという祈りはこのお山掛けによって霊峰湯ノ岳に届いたことでしょう。
来年は、天気に恵まれることを思うと同時に、放射能問題が落ち着く日が一日でも早く来るように切に願い、例年同様の「お山掛け」で皆さんと笑顔で挨拶ができますことを祈っております。
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